---------------Monthly Kleingarten Nougakujuku News---------------

=======2003.5.1 5月号=========

 

CONTENTS
■畑の露地裏
■野菜自慢
■野のグルメ
■窯元探訪
■読者のコーナー
■農楽塾“メール農学校”
■利用者(ガルテナ―)へのお知らせ
■イベント情報

 

■畑の露地裏
  畑の露地裏E  2003年4月19日

 〜新入生〜

 新学期が始まる。明日はクラインガルテンの入村式だ。何故か新しい入居者を迎えるのが年々楽しく、また待ち遠しい。家庭の事情や仕事の関係で退村される方がいらっしゃるが、不思議なことに今でもその数を上回る応募がある。前回、前々回と面接を行うたびに素敵な方がお見えになった。失礼、面接を行わなかった初回だって、単に先に抽選に当たっただけではない。大変素敵な方ばかりであることは言うまでもない。
 さて、今年の新入生もまた、やはりみな新入生顔をしている。まず、真新しい長靴がとても似合わない。中にはサイズが合っていないのではないかと思わせるような方もいる。これが一年間畑仕事に精を出すと、土着民として見間違うほどになる。それは男性ばかりのことではない。都会生活では考えられない格好で野道を闊歩される奥様の中には、モンペに甚平、はたまた肩から取れかかった膏薬など覗かせると、どこから見たって道を尋ねたくなる風体だ。貫禄十分になるから不思議だ。
 話を元に戻そう。新入生のそんな外見にもう一つ新入生たる特徴を加えたい。それは、必ず片手にジョウロを持っていることだ。「絶対」をつけても言い過ぎではない。必ず持っている。私が執拗に述べる理由が知りたい方はバックナンバーを見ていただきたい(まだ3、4回分しかないので全部見てほしい)。また、万能鍬を振り回しバックする姿は、ドリフのコントを思わせる。当人は本気なのだから笑っては失礼なのだが、土を掘り返しながらバックしたら、自分の股の下に掘り返した土がどんどん山のようになる事は不思議に思ってほしい。季節感、タネの一袋まき、カンフル剤のように思われている木酢液など、今年もまたくり返し説明しなければならない。

 いつものことだが、この施設を訪れる方たちに何を伝えればいいのか、今年も新入生を眺めながら改めて考えました。私の結論は、口に入る食べ物を“自分の手で作る”ことを中心に置いた食文化を、体験を通して再認識していただくことであると考えます。自給自足という考えではありません。なぜなら、体験をすれば100%自給がいかに不可能であるかがすぐにわかるからです。そのようなことを、机上論ではなく現状を知ることで理解いただきたいから、まず体験してほしいのです。また、農業者の養成ではありません。多くの人にとっては、一度体験すればよいものです。改めて気が付けばよいことですから。定年帰農や田舎暮らしと“ブーム”になると幹から脱線した枝葉ばかりに日が当たり、本題が必ずおろそかになります。私の考える食文化など特別なのもではありません。少し前の日本のどこにでもあった生活を意識しているだけです。ただ、すべての中心に農耕が存在し、わずかな余裕の中から贅が生まれる。そんなことを現代版に焼き直して楽しみたいのです。主旨からすると、“楽しむ”では表現が正しくないかもしれませんが、個人的には“楽しむ”というのがいちばん近い表現だと思います。
 クラインガルテン栽培クラブの活動も、地元の陶芸作家の協力を得て、わずかな贅を楽しむ“野のグルメ”コーナーも充実してきました。そろそろ通信講座の方も開設準備です。横枝ばかりが突出してはいけませんが、楽しみがないと張り合いがないことも事実です。今後は外部にも門戸を開放し、クラインガルテン予備軍の裾野拡大を図ろうと思います。
 先日、優等生のガルテナーから、売り物としても遜色のないダイコンを見せていただきました。夏野菜の苗も大きくなってきました。梅雨の前1か月は、遅霜さえ過ぎれば穏やかな時期です。連休まであと少し。落ち着きませんが、そのあとは少しだけ余裕が出来るでしょう。わずかな余裕ですが、贅を探してみてはいかがでしょうか。

 最後に野菜の病気について勉強の話題を付け加えます。同じ仲間の野菜は、たいてい同じ病気に罹り同じ害虫に狙われます。モンシロチョウの幼虫(アオムシ)がキャベツやブロッコリーの葉を食べているのはそのためです。時にダイコンやチンゲンサイも食べられます。でも、好みはキャベツ・ブロッコリーのようです。これらはいずれもアブラナの仲間です。ですからレタス(菊の仲間)を食べることはありません。関連して、これからの季節に気になるのは、トマトとジャガイモの関係です。これらは同じ病気に罹ります。ところが、トマトはジャガイモに比べて大変病気に弱いのです。ジャガイモは強いので病気に感染していても発病しません。それが困り物なのです。皆さんは、気が付かないうちに、ジャガイモの病気をトマトにうつしているのです。これからの時期、ジャガイモの草取りや芽欠きをした手で、トマトの苗をさわったり、トマトの芽欠きをしてはいませんか? それでは傷口をつけて感染させているようなものです。2つの作業を行う時は、トマトの仕事から行ってください。反対の時は一風呂浴びてから、とまではいいませんがよく手を洗ってから行ってください。
 また、トマト栽培をハウスで行うのは、土の中にいる細菌を泥の雨水とともに葉に跳ね返さないためです。ハウスがなければ、トマトの株元にワラを敷いても同様の効果があります(泥水が直に跳ね返りませんから)。そのためには、ワラである必要はありません。ススキでもカヤでもかまいません。草でもよいのですが、乾燥すると風で飛ばされますので工夫して下さい。ダンボールでもかまいませんが、見た目がちょっと気になります。くれぐれも、泥水防止の資材が風に飛ばされないようにと土で押さえないように(笑い)。 


[斎藤典保]

 

野菜自慢(訪問先 斉藤尭さんご夫妻/

   ●ハウス栽培の春ダイコン

 講習会で教わったとおりの方法で、自宅マンションで苗づくりをしました。テラスのガラス越しに日光を当て、霧吹きで水をあげながら管理し、ハウスの中に定植したのが2週間後の2月21日でした。心配だったのは、ホッチキスでとめた新聞紙の筒。「本当にこんなものを根が突き破って大きくなるの?」って言いながら、半信半疑で植えたんですよ。それが何と、こんなにみごとなダイコンに育ちました! 通りかかった農家の人にほめられましたよ。八百屋さんのと比べても見劣りしませんよね? いちばんよくできたのをお見せしたかったけど、もう食べちゃったんですよ(笑)。




[訪問/有野真由美]
■野のグルメ
コンセプトは「菜園で採れた季節の野菜で、簡単料理」を基本に月ごとにメニューを提案していきます。
レシピはシンプルなので、料理を作る方の工夫次第で色々なアレンジが可能です。
料理を盛る器は窯元探訪でお借りした笠間焼の器を使用しています。
 
●三つ葉のお浸し・ウニのトッピング
材 料
三つ葉 一束
ウニ 小1箱
調味料
浸し汁 一番だし 1 1/2カップ
1/5カップ
薄口しょうゆ 大さじ2
少々
作り方
1) 三つ葉はゆでて水にとり水気をしっかり絞る
2) 絞った三つ葉を5cmほどに切り15分ほど浸し汁に浸す
3) 2)を器に盛りつけウニをトッピングする

アレンジ 味を引き締めたいときはおろしわさびを添える

●竹の子のかき揚げ
材 料
竹の子 200g
木の芽
調味料
てんぷら粉 大さじ3
揚げ油 適量
少々
作り方
1) ゆでた竹の子を千切りにし、ボールに入れてんぷら粉をふりかけ、混ぜる
2) 1)に水を少しずつ加えひと口大にまとめる
3) 170℃の揚げ油に2)を入れからっと揚げる
4) 揚げたてを器に盛り、木の芽を添える

アレンジ 根元は千切り、輪切り、穂先はくし型に切り揚げると異なった食感が味わえる


[駒井延行]

  ・・・あとは試食。さあいただきまあーす・・・

今回は器をお借りした筒井修氏を招きご一緒に試食しました。

<ミツバとウニ>
春の根ミツバには強い香と淡いけれど緑に力がある。その緑にトッピングしたウニが見て美味い。二つの個性が喧嘩せずに口の中で融合する。和だしと春と器の後を引く味です。
<タケノコ>
料理は、食材は同じでも切り方一つで変わります。タケノコ1本を部位別に切り方を変えると、それぞれ感じが変わります。私は少し固めの底部を千切りにして、かき揚にした硬さが好き。
・・・・・以上 斎藤

<ミツバとウニ>
筒井修先生作による鮮やかなグリーンを配した織部風中鉢に旬で取りたてのミツバに新鮮なウニを乗せ透明感のある和風だしと絡め食した瞬間、山海の心地良い香りがのど越しに漂い、器ともマッチし酒が更に進む絶品な作品である。
<タケノコ>
“分割シリーズ”の盛り皿に和紙を敷き、出来たての軽くサクサク感のあるかき揚げ天ぷらに少し塩をつけて頬張ると顔も自然とほころんでくる。盛り皿にはトレードマークのグリーンの釉薬を垂らした模様があるが、抹茶の塩を置くと新しい景色が生まれる。
・・・・・以上 石井

<ミツバとウニ>
ミツバとウニというのは想像もつかない組み合わせで、彩りの鮮やかさも印象的。意外性のあるおいしさでした。
<タケノコ>
タケノコのかき揚げというのは初めて。かすかに残る渋みが好ましく、春ならではの新鮮な出会いに感動しました。
・・・・・以上 皆川



窯元探訪
●筒井 修氏

 初の企画で皆少し緊張気味。約束より早めに工房に到着する。主人不在。待つこと数分が結構長く感じられた。ほどなく筒井氏が帰宅。取材といっても皆素人。工房に通されるも緊張のため台本どおりに進まない。焼物について、「素人は、好き嫌いで意見を言っていいよね。それなら誰でも言えるでしょ」との言葉に胸をなでおろす一同。「日本では、卓の上が豊かだ。土物の器或いは磁器、木地の椀に竹もしくは塗りの箸。それがあたり前になっている。国外ではこれほどバラェティーに富んでいる所はない」と。なるほどそこまで考えたことはなかった。作品の中から「風化」シリーズ「分割」シリーズの話しを伺い、歓談は“手打ちソバ”にまで及んだ。
工房の壁に自筆の銘がある。お尋ねすると、「書」に興味をお持ちとのこと。釉をかける数秒、ロクロを引いて立ち上げる数十秒と同様、筆の走るわずかな時がすべての出来を決める共通点を指摘された。

[斎藤典保]

【陶歴】
 笠間焼協同組合のホームページをご覧下さい。
 http://www.kasamayaki.net/cgi-bin/artist/conf.cgi?ID=0054

【情報・個展】
  第22回 陶炎祭(4月29日〜5月5日)    出展
  広尾 ギャラリー旬(10月29日〜11月2日) 個展
     
港区南麻布4−2−29、サンパレスビル1F 03(3444)7665

読者のコーナー
準備中

農楽塾“メール農学校”
●農楽塾「メール農学校」 のご案内

メール農学校とは
作物栽培の通信講座です。
参加者は、本校のオリジナル栽培キットを使用していただきます。
栽培キットには、堆肥をベースにした“土”を袋詰してあり、栽培は袋のまま行います。
ベランダなどわずかな場所で栽培できます。
教室をweb上に作り、他の参加者(クラスメート)や講師を交えて、生育の様子を話し合います。
関連する内容は、笠間クラインガルテン栽培講習会でも取上げます。
各自の作物の様子は、定期的に画像を報告していただきます。
また、本年中に最低1回は、笠間クラインガルテン栽培講習会にご出席(スクーリングとする)いただきます。
参加費用は3000円。ただし、栽培キットの送料やスクーリング時の交通費は各自負担していただきます。
栽培する野菜は“ポップコーン”と“ごま”を夏期に行い、秋冬には“ホウレンソウ”を栽培します。

 お問い合わせは、農楽塾「メール農学校」、斎藤まで。 
 
■利用者(ガルテナ―)へのお知らせ
5月4日
 体験竹の子掘り

[笠間クラインガルテン]

■イベント情報
●新規利用者『入村式』と『歓迎会』

 4月19日(土)、笠間クラインガルテン入村式・歓迎会が開かれました。クラブハウスが一杯になるほどの大盛会。笠間市長、経済部長をはじめ、ガルテンをお世話くださる方々の挨拶に続き、新規利用者の自己紹介、本年度事業計画の説明などがありました。新しく入られた方々の個性的で楽しい自己紹介ですっかり盛り上がり、待っていました「乾杯!」の後、各戸持ち寄りのご馳走に舌鼓を打ちながら皆さん色々な方と懇親を深められ、楽しいひと時になったことと思います。(皆川美知子さん・談)



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■発行人:斎藤典保 、石井敬造■編集長:斎藤典保
■編集:有野真由美、駒井延行、富田正義
■通信員:
■発行:笠間クラインガルテン栽培クラブ
■協力:笠間市農政課

●記事に関するお問い合わせ: nougakujuku@michi-m.co.jp
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