畑から   6

’02.6.10
 

 今日のテーマは草。草について話したいと思います。植物学では、草といったらおそらく草本類のことを指し、樹木になるものつまり木本類と対峙したものすべてのことを言うのでしょうが、百姓の世界では、必ず雑草のことを指します。

 過日利用者と話をしていると、どうやら草がいや雑草が四季を通じて同じメンバーでいるものと思っているらしいことに気づいた。つまり春も夏も秋もいつも同じ草いや雑草を取っていると思っているらしい。なんと言っていいものか、言葉がなかった。植物分類の講義ではないので種名まで知らなくていいが、七草に春バージョンと秋バージョンがあり俳句に季語があるのだから、少しは季節感を持ってくれよ。と言いたくなる。

 またある集まりで、畑の雑草の処理について尋ねられたことがある。質問の真意は、とった草をどう処理するのかという事。なんとなくわからないではない。そうそう、こういうこともあった。堆肥をたくさん作りたい。取った草を積み上げて、さらに落ち葉を集めて堆肥にするのだと言う。たしかに、これだけ取るのはさぞかし大変だったろうと思える量だ。いつもの事ながら、ここで一つ考えてほしいので、こんな話をすることにしています。雑木林の落ち葉が腐葉土(堆肥の一種)になります。これが堆積したものが目に見えて標高を増したら、そこらじゅうの森はどんどん高くなります。でも実際にそんなことはありません。結論は、植物が分解するとその体積はごくわずかになってしまうのです。つまり、前述の草取りの草は、心配することなくなくなります。ただポイントは、上手に分解させることと取った草を枯らせること。草取りは、異なる大きさの異なるメンツの植物を、季節に応じて上手に処理する技が必要です。そうですね、呼び方も様々です。草抜き、草引き、草刈りetc.なんてまさに技の違いなのでしょう。

 皆さんが気になる取りかたの目安は、季節以上に雑草に地域差がありますので、これは一言ではいえません。ただ、この時期の我畑は、大きい順にイヌタデ、アカザ、スベリヒユ、メヒシバ。梅雨の晴れ間に処理するなら、大きいものは地上部だけ切り取ります(根から抜いても梅雨時ではすぐに根付きます)。小さいものは土をかけるかシャンプーするか迷います。地表面が濡れていれば土をかけ乾いていればシャンプーます。このシャンプー、私の造語で、指を立てて地表を軽く引っかくのです。つねにこれで片が付くように管理したいものです。