畑から   3

’02.5.12
 

 前回のマルチに続き、敷きワラの話。

 これも、りっぱなマルチ。またしてもおもしろい光景。

 そもそも、植物の周りの地面をなぜ物で覆うのか?ビニールマルチについては、前回のとおりですが、一つ忘れていましたので付け加えます。それは、病気の予防。特にトマトやキュウリは、土の中にいるカビや細菌に感染します。どのように感染するかというと、雨のしずくが泥水とともに跳ね返り、葉の裏側にある気孔という穴から侵入します。この穴は小さいので肉眼では見えません。老眼だから俺には分からないなんて言わないで下さい。見えるほうがおかしいのです。(すいません。脱線しました。)それで、泥水を直接跳ね返さないように株元に物を置きます。それらは、たとえばビニールマルチであり敷きワラなのです。栽培指導中、“ワラは手に入らないのですか?”と尋ねられますが、別にワラでなければいけないわけではありません。要するに、泥水が跳ね返らぬようにすることが目的ですから、昨年伸びたススキやカヤの枯れ葉でよいのです。注意することは、落ち葉やモミガラでもいいのですが、細かいと風に吹かれてどこかへ飛んでいってしまいます。また、春先の草は、たとえばナズナ(ぺんぺん草)は今花が終わり実をつけていますので、それを敷きワラ代わりに使うと、ぺんぺん草の種蒔きをしていることと同じです。それから、青草を敷くと、直後はたくさん敷いたつもりでも、乾燥すればほんのわずかになってしまいます。

 さて、私の管轄内で、敷きワラが風で飛ばぬよう敷いたワラの上を土で押さえている所を見かけますが、ここまでの話、皆さんはどうお考えでしょうか?